気象トピックス・コラム
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穀雨(こくう)

 

きょうは、二十四節気のひとつ、「穀雨(こくう)」です。春の最後の二十四節気にあたり、「五穀豊穣をもたらす春の雨が降る頃」という意味があります。
そして、「春の雨」を「万物生(ばんぶつしょう)」といいます。生きているものすべてに新たな生命力を与えるということで、この名前がつきました。

 

春の雨は、様々な名前がつけられています。例えば、草木を潤す恵みの雨であるので「甘雨(かんう)」、草木にやわらかく降り注ぐ春の雨をいいます。春の雨は、ゆったりとした甘さがあるようで、似たような雨の言葉では、「慈雨(じう)」や「上雨(じょうう)」なども同じように春のやわらかい雨を意味します。

 

とはいえ、春の雨は、やわらかい雨だけではありません。「春夕立(はるゆうだち)」や、「春雷(しゅんらい)」という言葉もあり、夏の夕立ほどに強烈な雨は降りませんが、一時的にざっと、雷を伴って強く降る雨もあります。「春驟雨(はるしゅうう)」とも言い、夏の季語である「驟雨(しゅうう)」に「春」という言葉をつけて使い分けています。

 

今年の春は、各地で雨は多めでした。しかし、本当に雨を必要とするのは芽吹きが盛りで、本格的に農作業に入るこれからの時期です。週明け以降の1週間は、雨の降る日が多くなる見込みで、まさに、「五穀豊穣をもたらす恵みの雨」が降りそうです。