気象トピックス・コラム
気象トピック
「台風」と”Typhoon”の関係

 
大型の強い台風15号は、日本の東海上を北上中で、北日本の太平洋側は引き続き、強風、高波に注意が必要です。
ところで、「台風」を表す英語としては、”Typhoon”が知られていますが、この2つの言葉、音の響きが似ていますよね。「台風」の名前の由来には、「中国では、もともと激しい風のことを『大風(タイフーン)』といい、それがヨーロッパ諸国で音写されて”Typhoon”となった。そして、”Typhoon”の普及に伴い、今度は逆に中国などのアジア圏で”Typhoon”の訳語が作られ、その際、日本では、『台風』という字を当てはめた。 」という説があります。他にも諸説あるのですが、”Typhoon”の発音がアジア風であること、また台風がアジアの気象現象であることを考えますと、この説(つまり「台風」の語源はアジアにある、という説)は有力だと感じます。なお、アジア以外の地域では、大西洋や太平洋北東部などで発生する熱帯低気圧で、先日、アメリカのテキサス州に甚大な被害をもたらした、”Hurricane(ハリケーン)”や、インド洋や太平洋南部で発生する、”Cyclone(サイクロン)”などがあります。

 

台風の階級と英語訳

 
 
 
 

私は以前、海外向けの英語ニュース番組で気象ニュースを制作していたのですが、海外に台風情報を発信する際に気を付けなければならないのは、国際的な気象用語としての”Typhoon”と、日本の「台風」とでは、微妙な違いがあるということです。
まず、台風の定義は、「熱帯の海上で発生する低気圧(熱帯低気圧)の中で、北西太平洋あるいは南シナ海上で発生し、域内の最大風速が17m/s以上のもの」となっており、さらに台風は、その強さ(域内の最大風速)によって分類されています。一方、”Typhoon”は、上の表の通り、台風の中でも、「域内の最大風速が33m/s以上のもの」を表します。つまり、国際的な気象用語としての”Typhoon”は、台風における強さのカテゴリーの一つに相当し、他に、”Tropical Storm”や、”Severe Tropical Storm”といった用語が域内の最大風速に応じて使い分けられています。 さらに、英語では最大風速の大きい階級が”Typhoon”という一語でまとめられているのに対し、日本では、「強い台風」、「非常に強い台風」、「猛烈な台風」というように細分化されており、台風の被害を受けやすい日本ならではの詳細な表現が適用されています。