気象トピックス・コラム
気象トピック
除夜の鐘

 

きょうは12月31日、大晦日です。大晦日には、百八つの「除夜の鐘」をつく習慣があるのはご存知でしょう。

 

なぜ百八つかというと、諸説ありますが、代表的な説は、「煩悩説」です。人間にある「眼、耳、鼻、舌、身、意」の6つの感官能力を六根といいます。それらの感じ方は、「好、平、悪」の3種類がありますが、さらに、その3種類の感じ方には、「染、浄」の2種類があります。これらが原因で、人間は、「現在、過去、未来」の三世にわたり悩みや苦しみが続く、と考えられています。これを掛け合わせると、「六根」の6×「好、平、悪」の3×「染、浄」の2×「現在、過去、未来」の3となり、これらをすべて掛け合わせると百八になるのです。

 

除夜の鐘は、大晦日の深夜24時の前後に耳にしますが、鐘をつくタイミングにも決まりがあります。百七つまでは、前年のうちにつき、最後のひとつは、新年になってから(深夜0時ちょうど)につくのが正式なつき方だそうです。百八つの煩悩をすべてきれいに祓って新しい年を迎えるといった意味合いがあるのでしょう。

 

除夜の鐘は夜につくので、昼間には聞こえてこない遠くのお寺からでも聞こえてくることがあります。晴れて気温の低い大晦日の夜にはこういったことが起こります。「音」と「気温」には関係があるのです。
気温が低いほど空気の密度は高くなりますが、音は空気の密度の高いほうへ曲がる性質があります。昼間は地上付近が暖かいため、地表より上空が冷たく、音は上に向かって曲がりますが、夜は地上付近が冷えるために、空に向かった音は地表側に曲がり、遠くまで音が届くというわけです。

 

「ゴーン」という音がとても心に響き渡るような「除夜の鐘」の音を聞きながら煩悩を払い、快く新年を迎えたいものですね。