気象トピックス・コラム
目利き気象予報士
ヒマワリとひまわり

 
7月も明日で終わりです。本格的な夏を迎え、ヒマワリの花の似合う季節になりました。
ヒマワリと聞いて連想するものに静止気象衛星のひまわりがあります。天気予報などではよく耳にする名前なのでご存知の方が多いと思います。静止気象衛星ひまわりからの画像は、新聞やテレビの天気予報に使われるだけでなく、スーパーコンピュータで計算される気象予測の基データとしても使われています。台風、梅雨前線、集中豪雨など気象の仕事では欠かすことのできない最も大切な情報のひとつです。
ところで静止気象衛星にひまわりという名前がつけられた理由はご存知でしょうか。
それは、植物のヒマワリが常に太陽の姿を観ているのと同じで、静止気象衛星のひまわりも常に地球を同じエリアから見ているという意味と、1日に1回地球を回るという意味があるようです。
また、静止という言葉が使われていますが、実際には気象衛星のひまわりが地球の自転と同じ速度で移動しているため、地球上からは静止した状態に見えているのです。
 
静止気象衛星ひまわりの画像には大きく分けて可視画像・赤外画像・水蒸気画像の3つの種類があります。
まず1つ目の可視画像は、雲や地表面によって反射された太陽光を観測した画像です。雨を伴う発達した雲ほど厚みがあり、太陽光を強く反射するため、より白く写ります。 空から肉眼で見たとしたら一番近いイメージの画像です。しかし、夜は太陽の光がないので残念ながら雲は観えません。
 

30日12時の可視画像(気象庁)

 
 
 
 
2つ目の赤外画像は、雲、地表面、大気から放射される赤外線を観測した画像です。高い高度の雲ほどより白く写り、雲の高さを知ることができます。集中豪雨をもたらす積乱雲のような雲がどの高さまで発達しているか、台風や低気圧の周りでどんな雲がどの辺りまで広がっているかを知ることができます。ただし、巻雲など高いところの雲が広がる薄曇りでも白く、霧や霧雨を降らすような低い雲は黒っぽくしか観えません。したがって白く写っている雲が雨をもたらすとは限りません。もうひとつの特徴は赤外線を観測しているため、昼夜問わず観測できます。
 

30日12時の赤外画像(気象庁)

 
 
 
 
3つ目の水蒸気画像は、水蒸気から放射される赤外線を観測した画像です。雲がないところでも対流圏(地表から約11kmまでの活発な対流のある層)の上・中層にあるごくわずかの水蒸気からの放射を観測することができ、対流圏上・ 中層の水蒸気が多いところほど白く表現され、上空の湿り具合がわかります。また、雲のないところでも水蒸気の動きから空気の流れを知ることができます。
 

30日12時の水蒸気画像(気象庁)

 
 
 
 
これらの画像を見比べることで、雲の状態を把握して、降雨などの予測に役立てることができます。テレビや新聞でよく使われるのは赤外画像ですが、気象庁のホームページには全ての画像があり、この3つの画像を見比べることで、より深く雲の状態を知ることができます。雲の見方が変わると天気予報を見るのが楽しくなりますよ。