気象トピックス・コラム
過去の記事
雷雨に種類があるの?

 
今日から7月です。本格的な夏を迎え、山や海へ出掛ける機会が多くなったり、各地で夏祭りや花火大会などが開催されるようになりますが、屋外で突然の雷雨に悩まされたことのある方も多いのではないでしょうか。
この雷ですが、大きく分けて以下の4つの種類があるのをご存知でしょうか。
 
1.熱雷
2.界雷
3.熱界雷
4.渦雷
 
まず1の熱雷についてですが、これは夏によく見られる夕立で、一番遭遇する可能性の高い雷です。強い日射によって地面が熱せられると上昇気流が発生し、積乱雲が作られます。この時に起きる雷です。上空に寒気があるか、また強いか弱いかで規模や雷雲の発達の度合いが異なります。
2の界雷は、暖気と寒気の境目で発生します。最も多いのは、寒冷前線付近で寒気が暖気を押し上げることによって上昇気流が起きて発生するものですが、温暖前線、梅雨前線などの停滞前線、閉塞前線付近などでも発生します。また、海風前線付近でも発生します。
3の熱界雷は、熱雷と界雷の性質を併せもつものです。地上付近の気温や湿度が高く、上空に寒気が流れ込んでいてそれだけで雷雨の原因となる状況になっている所へ寒冷前線などの前線が通過すると激しい雷雨が発生し、被害も発生することが多く、最も注意が必要なものです。
4の渦雷は、発達した低気圧や台風などに吹き込む強風により上昇気流が起きて発生するものです。
 
都市部では、突然に積乱雲が発達し、激しい雷雨、いわゆるゲリラ豪雨になることが近年多くなっていますが、これはヒートアイランド現象という都市部の高温化もひとつの要因になってます。
 
これから8月頃にかけてが、内陸や山間部を中心に雷の発生しやすい時期です。屋外にいる場合に黒っぽい雲が近付いたり、雷の音が聞こえたり、急に冷たい風が吹いたりした場合は積乱雲が近付いている兆しですので、建物の中に避難するようにして下さい。
 
雷から身を守るためには、気象庁が発表する「雷ナウキャスト」も参考になります。雷ナウキャストは、雷の激しさや雷の可能性を1~4の活動度で表しています。
活動度は、最新の落雷の状況と雨雲の分布によって区分されており、現在の状況と1時間後(10分から60分先)までの予測を10分ごとに知ることができます。
 

1日14時の雷ナウキャスト(気象庁)