気象トピックス・コラム
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秋の空が変わりやすいのはなぜ?

 
「女心」や「男心」とともに変わりやすいものの代表とされているのが「秋の空」です。
「秋の空は七度半変わる」というたとえもあるように、秋は本当に天気の変わりやすい季節です。
 
爽やかな秋晴れの日があったかと思うと2日で雨模様の天気になることがありますが、その一番の原因は8月に日本付近を覆っていた太平洋高気圧が徐々に弱まり始め、北から偏西風が次第に南下し、上空の風の流れが速くなるためです。
この速い流れに乗って、低気圧や高気圧が短い周期で通過しやすくなります。大陸からの移動性高気圧が日本付近を通過した時には秋晴れの気持ちの良い好天をもたらします。上空の風は北西風となり、太平洋側の地方を中心に雲がほとんどなく、抜けるような青空が見られます。しかし、高気圧は2日ほどで通過してしまい、次第に気圧が下がって雨模様の天気となり、ときには強い寒気をともなった低気圧が日本付近を通過し、変化の激しい現象をもたらすのです。
太平洋から吹き込む暖気と大陸からの冷気が接触して前線が形成され、日本付近を通過して天気を崩すことも多いですが、10月中旬以降になると大陸からの冷気に覆われることが多くなり、太平洋側の地方では天気は安定します。また、高気圧が東西に連なる帯状高気圧となることが多く、秋晴れの好天が長く続くことになります。
 
気温の変化が大きいのも秋の特徴です。移動性高気圧に覆われたよく晴れた日の朝は地面付近の熱が奪われる放射冷却現象が強まり、冷え込みが強まります。一方、日中は日射で気温が上がり、朝晩との気温差が10度以上になることもあります。
朝の冷え込みが強まると、霧が発生したり霜が降りることがありますが、霧については10月15日、霜については10月22日のコラムで詳しく解説しますので、こちらをぜひご覧下さい。