気象トピックス・コラム
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雪、天からの手紙

 
今日12月7日は二十四節気の一つ「大雪(たいせつ)」です。寒さが厳しくなり、雪が多くなる頃にあたりますが、今年は既に北日本の日本海側を中心に大雪となっています。
 
降りすぎると多くの被害が出てしまう雪ですが、皆さんは雪の結晶を見たことがありますでしょうか。雪の結晶の研究者、中谷宇吉郎は「雪は天から送られた手紙である」との言葉を残しており、この言葉には科学的な大切なメッセージが込められているのです。
 
雪の結晶ができるまでを考えてみると、雲の中の水蒸気が一旦氷晶になり、それがとけないまま地上に落ちてくるのが雪です。水は凍ると六角形の結晶になります。水蒸気は六角形の縁や角にくっつきやすい性質があるので、雪の結晶は平面状の六方向に広がる物が多いです。
中谷宇吉郎は1935年、北海道大学の低温実験室で初めて人工の雪の結晶を作り出すことに成功しました。その時中谷宇吉郎は、雪の結晶の形が成長する時の気温や湿度によって、どのような結晶に成長するか、どのように変化するかをつきとめました。降ってきた雪の結晶の形を見れば、結晶が成長する時の大気の気温や湿度を読み取ることができることになるのです。雪の結晶の形は6000種以上あると言われています。サラサラした細かい粉雪と大きいぼたん雪では結晶の形も違っています。粉雪は気温が低い時に降ることが多く結晶は小さく軽くて固く、ぼたん雪は気温が比較的高い時に降ることが多く、水をたくさん含んで湿り、大きく重いです。
 
雪が降ると興奮してしまう方も多いと思います。もちろん大雪になると被害が多く発生してしまいますが、皆さんも雪の結晶に興味を持たれてみてはいかがでしょうか。