気象トピックス・コラム
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スノーモンスター

 
山形県の蔵王温泉スキー場で樹氷が見頃を迎えています。
 
山形県の蔵王温泉スキー場は大きなゲレンデや有名な樹氷があり、モンスターとも呼ばれる大きな雪と氷の塊が山全体にできて、壮大な景観を作り出します。
 
その樹氷ができるためには、いくつかの条件が必要です。
まず一つ目は、氷点下の厳しい寒さが続くことです。樹氷の芯になるのは、アオモリトドマツと呼ばれる常緑の針葉樹です。冬に入っても残る葉や枝に過冷却水蒸気がぶつかってその場で一気に凍りつき、着雪も加わって、樹氷は一気に大きく成長します。このように、樹氷は単に雪が積もった樹ではないのです。
二つ目に、一定方向からの強い風が吹くことです。冬の蔵王には10メートルを超す強い西風が吹きつけます。この風に乗って、雪や水分が絶えず運ばれて木にぶつかってくるため、樹氷はその風が吹いてくる方向に向かって大きくなります。このため、冬型の気圧配置が続き、厳しい寒さと日本海からの強い風が吹き続ける冬ほど、樹氷は大きく成長することになるのです。
三つ目に、適度の積雪があります。蔵王の真冬の積雪は、2~3メートルくらいで山岳地帯としては極端な積雪にもならず、木もよく成長するのです。厳しい寒さと強い風、そして適度の積雪とこれだけの条件を満たす所は少なく、樹氷が見られるのは、山形県の蔵王や青森県の八甲田など一部の場所に限られています。
 
残念ながら、現在、蔵王山は噴火警戒レベルが1から2に引き上げられているため、樹氷原には入ることができなくなっており、雪上車体験ツアーは安全に運行できる範囲内での運行となっています。樹氷を見に行かれる方は、最新の情報に十分注意して下さい。