気象トピックス・コラム
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アメダス

 
ニュースや天気予報でよく耳にする「アメダス」は、全国の降水の状況を伝え、今や天気予報に欠かせない存在となっています。
 
アメダスは、気象庁が集中豪雨などの突然の天気の変化を監視するために開発した無人の気象観測システムです。英語では、Automated Meteorological Data Acquisition System(自動気象データ観測システム)となり、この頭文字をとってアメダス(AMeDAS)と名付けられました。1974年から運用が続けられているアメダスは、その名前から雨だけを観測していると思われがちですが、降水量の他に気温や風向・風速、日照時間を測定している地点もあり、雪の多い地域では積雪の深さも観測しています。アメダスで観測された全国で1300地点のデータは気象庁に集められ、異常気象の監視、注意報や警報の発表など防災対策の資料として活用されています。
 
アメダスで観測されたデータは実況や過去の気象状況の把握に使われていますが、天気予報の基礎資料にも重要な役割を果たしています。例えば、降水量のデータは、6時間先までの降水量を予想する際、気象レーダーのデータと組み合わせ、きめ細かい降水量解析に使われています。そのためには、正確な観測が必要で、観測機器は検定に合格したものでなければならず、設置後も観測データに異常がないか調べたり、定期保守などが非常に重要です。
 
アメダスのデータは、私たちがテレビなどで気象状況を知る際に役立っていますが、気象の仕事では防災上の気象状況を把握したり、より詳細な気象予測をする際に利用され、大変重要な気象データの一つです。