月日の経つのは早いもので、11月もきょうで7日です。朝晩を中心に冷え込みの強まる日もあり、日本の多くの地域で10月1日に衣替えが行われてから約1ヶ月経ちますが、新聞の天気図も秋から冬へ季節が変わる今頃、装いを変えるものがあります。
主に11月と5月に、天気図の地図の範囲を変えている新聞があるのですが、これは、季節によって注目点が異なるためです。新聞によっては冬の天気図は日本が図の中心にあり、夏の天気図では日本の南側のスペースを多めにとっています。
晩秋から4月頃にかけては、低気圧や高気圧、前線が日本の周りのどこにあるかによって日本の天気は左右されることが多くなります。特に注目されるのは南シナ海低気圧などの急激に発達する低気圧で、これは日本の北西方向、南西方向のどこから来るかわからないので日本を図の中心にしていると考えられます。
一方、初夏から10月頃にかけては日本の南の海上から北上してくる台風の影響を受けることが多くなるので、台風の発生、台風の位置をまだ遠くてもなるべく早めに伝えるため、日本より南の気圧配置が重要になると考えられます。
天気図には等圧線、前線、高気圧、低気圧などがありますが、新聞天気図には主要都市のその時の天気や風向、風速も表示されていることをご存知でしょうか。
主要都市上にその時の天気が日本式の記号で記載されており、日本だけでなく近隣の国の都市のその時の天気を知ることもできます。天気記号から突き出ている線は風向きを表しています。そこから横に枝分かれしている線は矢羽と呼ばれて風力を表し、矢羽の数が多いほど風が強いことを示しています。下に示したものが天気と風力の記号の種類です。
天気を表す記号(はれるんランドより)
風向・風力を表す記号(はれるんランドより)
日本で初めての新聞天気図は、1924年8月21日に現在の東京新聞の前身である国民新聞に掲載されました。当時の天気図はとてもシンプルなものでしたが、今では、夏と冬で地図を変えたり、主要都市の天気や風の実況値を入れたり、雲画像と重ねたり、各社が長年の工夫を凝らして、狭いスペースにもかかわらず、情報がぎっしり詰まっているのです。