気象トピックス・コラム
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雪崩に注意

 

雪解けの季節を迎えると多くなるのが、「雪崩」による被害です。

 

これからは気温の上昇による雪崩に注意をしなければならない季節です。雪崩のメカニズムは、地形やこれまでに降った雪の量や性質、気温の変化など複雑ですが、雪崩が起きやすいかどうかを気圧配置から推測することができます。

 

雪崩が最も起こりやすいのが「日本海低気圧」です。この低気圧が接近すると、南から暖かい空気が流れ込み気温が上昇し、雪の表面が解けて、シャーベット状の氷の層ができます。この上に湿った重たい雪が降り、雪の重みで雪崩が発生することがあります。また、山沿いでも雪ではなく雨になることもあるため、雪が地面からまるごと崩れ落ちて雪崩が起きることもあるのです。更に、日本海低気圧が通過した後は、一時的に強い冬型になり雪が降ることでまた新たに雪が積もり、雪崩が起きることがあります。

 

また、「南岸低気圧」が通過するときには、平野部は雨でも山沿いでは重たく湿った雪が降ることがあるため、雪崩が起きやすくなるので注意が必要です。2017年3月27日に栃木県のスキー場で発生した雪崩による事故が起こったときの気圧配置は、この「南岸低気圧」です。

 

そして、「高気圧」に覆われているときにも油断はできません。日ごとに強まる春の日差しにより気温が上昇し、雪が解けて雪崩が起こりやすくなるのです。

 

これからますます春めいてきますが、雪崩や落雪には十分な注意が必要です。