気象トピックス・コラム
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きょうは体育の日

 

きょう10月9日は、体育の日です。1964年に開催された東京オリンピックを記念して、1966年より祝日に定められました。もともと体育の日は10月10日で、この日はちょうど東京オリンピックの開会式のあった日でしたが、2000年からは、ハッピーマンデイ法案により、10月の第2月曜日、ちょうどきょうが体育の日になりました。

 

2020年の東京オリンピックの開会式は、7月24日の予定で、開催期間は7月24日から8月9日までと、1年のうちで最も暑い最中に行われる予定ですが、1964年のときには、秋雨前線が去った後の晴天を狙っての10月10日の開会式となりました。当時は、「日本の戦後の復興を世界に見せるために、絶対に晴れる日を開会式にしたい」との日本オリンピック委員会の願いを気象庁の担当者が受け、調査したところ、10月15日が晴れる確率が最も高く、次が10日でしたが、15日が平日なのに対し、10日は土曜日であったことから、10日を開会式の日と決めたという経緯があるそうです。

 

テニスやゴルフなど、気軽にスポーツを楽しむのには、個人差もありますが19度~21度が適温といわれています。しかし、アスリートたちの熾烈な競争となるオリンピックでは、競技の種類によって適温は大分違いがあるようです。短距離走や砲丸投げのように短時間で力を出し切らねばならない競技は、27~28度、逆にマラソンのような長時間を要し、持久力を必要とする競技は5~15度が適温だそうです。

 

3年後に迫った2020年の東京オリンピックは真夏に開催されます。特にマラソンのように持久力を必要とする競技、サッカーのように運動量の多い競技は、気温も湿度も高い時期には大変だと思います。しかし、日本列島は南北に長く、起伏にも富んでいます。また、関東以北の太平洋側は、寒流の影響で比較的気温は低めです。東京の8月上旬の平均気温の平年は26.7度です。この時期の東京と札幌では、平均気温はおよそ4度違い、仙台はおよそ2度、高原の軽井沢とは、意外にもおよそ5度も違います。今更ではありますが、競技と日本の気候を上手く利用して会場選びをしたら、いい記録も期待できるのではないでしょうか。