気象トピックス・コラム
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雷にあったら

 
5月に入り、バーベキューやキャンプなど屋外で活動される方も多いのではないでしょうか。
そんな時に悩まされるのが、「ゴロゴロ、バリバリバリ、ドッカーン」と、凄まじい音を響かせる雷です。ピカッと光り、物凄い音を出す雷は恐ろしいですよね。
そこで今回は雷のメカ二ズムや屋外で雷にあった時の対処法を紹介します。
 
まず、そもそも雷はなぜ光り、ゴロゴロ音を出すのでしょうか。
積乱雲の中では、激しい上昇気流が発生し、雲を作っている氷の粒が激しくぶつかり合うことで静電気を帯びていきます。電気のたまった雲は、これ以上電気をためることのできない状態になった時に、地面に向かって放電するのです。この時、電気の流れにくい空気の中を無理やり電気が流れるので、通り道にある空気は非常に高温になりピカッと光るのです。高温となって暖められた空気は一瞬で膨張し、周りの空気を押しつけて振動させます。この空気の振動によって、ゴロゴロした音が発生するのです。
 
雷の鳴っている時に木の下に逃げられたことのある方もいらっしゃるかもしれませんが、木の下に逃げるのは危険です。その理由は、雷は高いものに落ちやすく、高い木は雷の標的になりやすいからです。また、木から離れていたとしても、傘を差して立っているのも非常に危険な行動です。傘を差したまま周りに高いものがない場所に立っていると、実は私たちがその辺りで一番高い状態になってしまっているからです。
そして、さらに気をつけたいのが、木に落ちた雷は木を伝わっていく途中で横に飛び出し、近くにいる人間に流れてくるということです。これを側撃雷と言いますが、木よりも人間の方が電気が流れやすい性質であるために、雷が進路を変えてくるのです。
 
雷が鳴っている時に安全なのは、建物内や車の中です。万が一、建物や車に雷が落ちても、避雷針や表面の金属を伝わって雷が地面に逃げるので、中の人間が車体など電気の流れていく金属部に触れていなければ安全なのです。建物や車が近くにない場合は、木から4m以上離れて姿勢を低くするようにして下さい。
 
これからの季節は屋外で活動する機会が多くなりますが、雷の音が聞こえたら、早めに避難をしたり、雷注意報が発表されている時は、外出を控えることも必要です。