気象トピックス・コラム
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晴れと曇り

 
先日友人と話していたら、「空を見ていると所々に雲があるのに天気予報では晴れとなっているんだよね。晴れや曇りってどうやって決めているの?」と聞かれたことがあります。
そこで、今回は天気予報の晴れと曇りの違いを紹介します。
 
一般に、晴れや曇りの区別は雲量で決まります。雲量とは空を見回したときに、空全体のどのくらいが雲に覆われているかを示す数字で、雲が全天を覆っているときが雲量10、雲が空全体の50%を覆っていれば、雲量5となります。予報用語の定義では、雲量0~1は「快晴」、2~8は「晴れ」、9~10は「曇り」です。上層の雲(巻雲や巻層雲、巻積雲)がそれより低い雲より多く、太陽の光が透けているような状態を「薄曇り」といいますが、薄曇りで雲量が9~10でも天気としては「晴れ」に分類されます。このように晴れと「曇り」は区別され、これを基に天気予報で表現されています。
 
秋は、高気圧と低気圧が交互に日本列島を通過する季節です。高気圧の中心が通り過ぎるまでは乾燥した空気が流れ込み、雲が出にくくなります。しかし、高気圧の中心が通り過ぎると南から湿った空気が流れ込み、低気圧が接近すると上空の高い所にある上層雲が現れ、場合によっては暈と呼ばれる太陽の周りに光の輪が見られることもあります。そして、次第に中層や下層雲が見られるようになり、天気は下り坂に向かいます。
 
晴れ時々曇りの天気予報には、天気が下り坂となる薄曇りも含まれるので、天気図で高気圧や低気圧の位置を見ながら、晴れなのか薄曇りなのか考えると天気予報がより楽しくなりますよ。