気象トピックス・コラム
天体観測
11月8日(火)は皆既月食、惑星食と同時は442年ぶり

 

11月8日(火)は皆既月食が起こります。月食は月が地球の影に入ることによって起こる天文現象で、皆既月食の場合は月が完全に地球の影に隠れます。

また、今回は皆既月食中に惑星食が起こり、全国ほとんどの場所で月が天王星を隠す天王星食を見ることができるでしょう。皆既月食中に惑星食が起こるのは非常に珍しく、日本で見られるのは1580年7月26日の土星食以来、442年ぶりです。

地球の影に対する月の動き(出典:国立天文台)

今回の皆既月食は日本全国で観察することができ、部分食が始まる時刻はどこで観察しても同じとなります。

部分食の始まりは18時9分で、19時16分には皆既食となるでしょう。皆既食中の月は真っ黒ではなく、赤黒い赤銅色に染まります。皆既食は86分間続き、20時42分まで見ることができます。その後は徐々に地球の影から抜け、21時49分に部分食が終わるでしょう。

天王星食 各地の予報(出典:国立天文台)

月食の最中に起こる天王星食は、小笠原諸島を除くほとんどの場所で見ることができます。東京では20時41分から、月が天王星を隠す様子が見られるでしょう。

天王星は約6等級の明るさしかないため、天王星食は一般的には観察しづらい現象です。ただ、今回は月食と同時に起こることで月自体が暗くなるため、普段より観察しやすくなるでしょう。観察の際は、双眼鏡や望遠鏡があると良さそうです。

なお、次に皆既月食中に惑星食が起こるのは2344年7月26日になります。貴重なチャンスを逃さず、ぜひ皆既月食と一緒に観察してみてください。

11月8日(火)の分布予報(11月4日発表)

月食が起こる8日(火)は移動性高気圧が日本付近に進むため、東日本や西日本の広い範囲で晴れるでしょう。乾いた空気に覆われ、澄んだ夜空が広がりそうです。

北日本は気圧の谷や寒気の影響で雲が多く、東北日本海側で雨の降る可能性があります。ただ、雨の降る範囲は比較的狭い予想ですので、雲の合間から赤銅色の月が見られるかもしれません。

夜は各地とも気温が下がるため、天体観測の際は防寒が必要です。風邪をひかないようしっかりと着込んで、貴重な天体ショーをお楽しみください。

参考:国立天文台 皆既月食・天王星食(2022年11月)