気象トピックス・コラム
天体観測
20日は金環皆既日食 日本は一部で部分日食に

 

4月20日に金環皆既日食が起こります。日食とは月が太陽の前を横切るために、月によって太陽の全部または一部が隠される現象です。大きく「皆既日食」「金環日食」「部分日食」の三種類に分類されます。

皆既日食や金環食は非常に狭い範囲でしか起こりませんが、太陽の一部が隠される部分食は広い範囲で起こり、今回も日本の一部で部分食が見られる見込みです。

部分日食が見られる範囲(出典:国立天文台)

日本で部分食が見られる範囲は、南西諸島や九州南部、四国南部、近畿南部から関東南部にかけての地域、伊豆諸島と小笠原諸島になります。南東側に行くほど欠ける部分が大きく、小笠原では太陽面の面積の約16%が月に隠されるでしょう。

日食が起こる時刻や、太陽がどれくらい月に隠れるかは場所によって異なります。例えば那覇では13時35分頃に日食が始まり14時21分頃に食の最大を迎えますが、千葉県館山では14時30分頃から日食が始まり14時40分頃に食の最大を迎える見通しです。

観察する際は太陽を直接見ることは絶対にせず、日食専用のグラスや遮光板を使ったり、望遠鏡を使って太陽投影板に投影したりするなど、安全な方法で観察するようにしてください。

20日は東日本を中心に晴れるものの、九州や四国は前線や湿った空気の影響で雲が広がる見込みです。九州南部では雨の降る可能性が高く、日食観測にはあいにくの天気となるでしょう。一方で、四国南部や近畿南部から関東南部にかけて、伊豆諸島や南西諸島の一部はおおむね晴れる予想で、観測のチャンスがありそうです。

なお、次に日本で日食が起こるのは2030年6月1日です。次回は7年後となりますので、観測される方は今回のチャンスを逃さず、最新の予報を確認し安全に十分配慮した上で天体観測を楽しんでください。

参考
国立天文台 日本の一部地域で部分日食(2023年4月)
国立天文台 2023年4月20日 日食(金環皆既日食)解説資料