秋

9月が過ぎ、10月に入りました。9月はまだ暑い日がありますが、朝晩はだいぶ涼しくなってきて秋を感じるようになります。10 月に入ると日中も気温が低くなってきて、秋が深まってゆくことでしょう。
秋を表す言葉に「天高く馬肥ゆる」という言葉を使います。
これは、空が高く澄み渡って晴れる秋には、馬も食欲を増してたくましくなるという意味です。なぜ、秋の空は「天高い」のでしょうか? この理由のひとつには、秋の雲の高さにあります。
夏には、もくもくとした積乱雲(入道雲)がよく見られましたが、秋になると巻雲(すじ雲)や巻積雲(うろこ雲)など、高い所の雲が目立つようになります。

夏の空は水蒸気量が多く、白っぽくなります。夏に見られる雲は、ほとんどが積雲(綿雲)、積乱雲(入道雲)のような対流性の雲です。背の高い積乱雲(入道雲)ができることがあっても、雲が現れだす高度はさほど高くはありません。これらの雲は底が低いため、空が近くに感じます。

ところが、季節が進み秋になると、ジェット気流が北から日本付近にまで南下し、低気圧が周期的に通るようになります。低気圧やジェット気流の周辺には色々な高さ、種類の雲が現れます。巻雲(すじ雲)や巻積雲(うろこ雲)などは、約10キロ付近の高いところにでき、秋になるとよく見られるようになります。

また、秋の移動性高気圧は乾いた空気をもたらせ、空の透明度が高くなります。このため、秋の空は高く感じるのです。
9月ははまだ暑い日もあり、もくもくとした積乱雲(入道雲)が見られ、残暑が厳しい日もありましたが、10月になると、東京でも最高気温が30度まで上がる日はほとんどなくなり、次第に秋が深まってきます。
これからは秋の巻雲(すじ雲)や巻積雲(うろこ雲)などが見られることが多くなるでしょう。空を見上げて、雲を眺めて、秋の深まりを感じてみて下さい。