気象トピックス・コラム
長期予報
寒気の影響受けにくく、今冬は暖冬傾向に

 

今年の12月は厳しい冷え込みとともにスタートしました。気象庁による季節区分では、12月~2月が冬と定義づけられており、まさに冬の到来を実感するような寒さとなっています。

1日14時現在の日最低気温(出典:気象庁)

 

1日(金)の朝は北海道の陸別町で-17.1℃を観測し、今季の全国最低気温を更新する冷え込みとなりました。全国の400地点で最低気温が0℃未満の冬日となっていて、今季の最低気温を更新している地点も多くなっています。

冬の便りも続々と届き、仙台で初氷、京都で初霜、そして新潟では初雪が観測されました。北海道の幌加内町では全国で今季初めて積雪が1mを超えたほか、東北の日本海側などで平年の3倍を超える積雪を観測している所もある状況です。

 

今回の寒さや雪は、長く続くわけではありません。上空に流れ込んでいる寒気は早々に北へと後退していく予想で、週末以降は一転して気温が高くなる予想となっています。

上図は最新の一か月予報から2日(土)~8日(金)の平均気温の予想を抜粋したものですが、北日本では平年より高くなる確率が70%以上となっていて、この時期としてはかなりの高温が予想されています。高温に関する早期天候情報発も発表されており、農作物の管理に注意が必要となるでしょう。また、雪の多く積もっている地域では雪崩や落雪にもご注意ください。

東~西日本も平年より気温が高くなる予想で、日ごとの気温のアップダウンが非常に大きくなるでしょう。体調管理に十分お気をつけください。

 

12月2週目以降も、気温の高い傾向は続く見込みです。
春に発生したエルニーニョ現象は来年の春にかけて続く可能性が高く、日本付近では偏西風の流れが変わり、寒気が流れ込みにくくなる見込みです。エルニーニョ現象が発生している年は暖冬になりやすい傾向がありますが、今年も向こう3か月の気温は平年と比べて高くなる予想となっています。

ただ、暖冬になる年でも一時的に強い寒気は流れ込みます。海面水温が高くなっている分、寒気が入ると一気に雪雲が発達して大雪をもたらす恐れがあります。寒気の入り方次第で大雪となる地域が変わるため、今後も最新の気象情報に留意し、例年通り雪への備えを行うようにしてください。