気象トピックス・コラム
長期予報
高温傾向が続く 梅雨の降水量は平年並みか多い

 

2月も残すところ3日、気象庁の季節区分では3月から春が始まります。3月スタートは寒の戻りで寒くなりそうですが、3月中旬頃からは暖かくなるでしょう。

また、最新の長期予報によると、3~5月の平均気温は東~西日本や沖縄・奄美で平年並みか高くなる予想で、夏の気温も全国的に高くなると見込まれています。

 

今冬の天候から振り返ってみていくと、一時的な寒気の影響はありましたが、北~西日本で顕著な高温となりました。日照時間は全国的に多照傾向で、降水量は平年より少ない所が多くなりました。

原因の一つとして考えられるのがエルニーニョ現象です。エルニーニョ現象の影響で、日本の上空を流れる偏西風の動きが変わり、平年よりも北を流れたことで暖かい空気に覆われやすくなりました。冬型の気圧配置も弱く、比較的暖かく雪の少ない冬となりました。

 

3~5月の平均気温も、東・西日本は平年並みか高く、沖縄・奄美では高い予想となっています。エルニーニョ現象の影響等で大気全体の温度が高くなっていること、沖縄・奄美を中心に暖かく湿った空気が流れ込みやすいことから高温傾向が続く見込みです。

降水量は沖縄・奄美で多雨傾向となっており、前線や湿った空気の影響を受けやすくなるでしょう。春の長雨を菜種梅雨と表現しますが、シトシトと雨が続くような時期もありそうです。

 

梅雨の時期の降水量に関しては、沖縄・奄美に加えて、西日本太平洋側でも平年並みか多くなる予測になっています。前線の活動が活発になり、大雨になる恐れがあるため、雨への備えが必要です。

また、気温は引き続き全国的に平年より高くなるでしょう。昨夏の日本の平均気温偏差は+1.76度となり1898年の統計開始以来最も高くなりましたが、今夏も厳しい暑さが続く可能性があります。今年は早い時期から気温が高くなる見通しです。熱中症には十分お気をつけください。