気象トピックス・コラム
一気に秋めく 北海道では初冠雪も

 

今年は異例とも言える残暑が続いていましたが、10月に入り一気に季節が進んでいます。週後半は今季初めて寒気が流れ込む見込みで、北日本では荒れた天気に警戒が必要です。

9月の平均気温平年差(出典:気象庁HP)

今夏は北~西日本で平年を上回る暑さとなり、9月に入っても記録的な残暑が続きました。東~西日本では、1946年の統計開始以来、月平均気温偏差が9月1位を更新する記録的な高温となり、東京都心では年間真夏日日数が90日に達するなど、過去に例のない暑さとなりました。

一方で、10月に入ってからは秋の涼しい空気が流れ込み、一気に季節が進んでいます。北~東日本の山沿いや内陸では最低気温が5℃を下回るようになり、朝は霜が降りるような冷え込みとなっているほか、4日(水)には北海道の大雪山系・旭岳で今季全国初の初冠雪が観測されました。旭岳の初冠雪は平年より9日遅く、昨年より1日早い観測です。

 

今週後半は今シーズン初の寒気が流れ込む見通しで、大雪山系・旭岳以外でも標高の高い山では雪の降る可能性があります。北日本を中心に荒れた天気に警戒が必要となるでしょう。

原因となるのは発達する低気圧です。5日(木)~6日(金)にかけて、前線を伴った低気圧が発達しながら北日本付近を通過する見込みで、北日本の日本海側を中心に雨や風が強まるでしょう。北海道や東北、新潟では警報級の大雨や暴風となる恐れがあるため、雨や風への備えが必要です。

 

また、低気圧通過後は一時的に冬型の気圧配置となり、上空にこの時期としては強い寒気が流れ込む見込みです。上図は上空1500m付近の寒気の様子で、東日本~近畿北部付近を覆う6℃以下の寒気は、平年より5℃前後冷たい空気になります。また、北海道には3℃以下の寒気が流れ込み、週末にはさらに低い0℃以下の寒気が流れ込む可能性があります。

標高の高い山や峠道では、雪の降る可能性があるため注意が必要です。峠道を車で走る際は、念のため冬用タイヤやタイヤチェーンを用意するなど、雪道走行への備えをお願いします。