気象トピックス・コラム
気象要素が冬の体感を変える!?~寒さの種類~

1月下旬から2月上旬にかけてが1年で最も寒い時期です。
私たちが感じる「寒さ」には、大きく分けると3種類あります。それは、「風冷え」、「底冷え」、「しけ寒」です。


「風冷え」とは、風が強いときの寒さです。風が吹くと、風によって体の表面の熱が奪われていきます。さらに、風が強ければ強いほど、奪われる熱の量が増えて、寒く感じます。一般に、風速が1m増すごとに、体感温度が1℃下がると言われていますが、これが「風冷え」です。


また、風が弱くても、夜間晴れていると、地表の熱が奪われる放射冷却が強まって気温が下がります。気温は、おおよそ1m50cmくらいのところで測っています。気温が3℃くらいのところにいると、足元は0℃くらいになることがあり、顔の辺りよりも地表付近の足元の方がずっと冷えて、寒さが増します。これが「底冷え」です。


「しけ寒」とは、雲に覆われ雪や雨が降り、湿度が高いときに感じる寒さです。このような日は、日中も気温の上がり方が鈍く、気温は横ばいで朝も日中も寒さは変わらず、長時間の低温にさらされることになります。また、外では雨や雪の水分が体にまとわりつくこともあり、いっそう寒く感じます。


そして、体感温度を示す指数に「ミスナールの体感温度の計算式」というのがあります。それによると、例えば、風速が0メートルのとき、気温が高いときは湿度が高いほど体感温度が高い計算になりますが、気温が10℃を下回ると湿度が高いほど体感温度が低い計算になります。


このように寒いときには、「手首」、「足首」、「首筋」を暖めることによって体温の低下を防ぐことができます。「手首」は手袋で、「足首」は、靴下やブーツで、「首」は、マフラーで暖めることができますが、特に「首筋」や「手首」には、太い血管やリンパ線があり、体温が奪われやすい場所です。このため、マフラーで「首筋」を、手袋で「手首」を保温すると体温の低下を抑えることができます。また、靴下やブーツは、足元の「底冷え」を防ぐことができます。


最も寒い時期にさしかかるこの時期、おしゃれな小物を上手に利用して、寒さ対策を心がけて下さい。