気象トピックス・コラム
気象トピック
台風が低気圧に変わると…

 

ことし2018年の8月は台風の発生数が9個と統計を始めて以来2位の記録となり、9月にも4個発生しました。ことしの台風は、観測史上最高の記録的な高潮や暴風をもたらせ、大規模停電の他、交通機関に大きな影響を及ぼすなど猛威をふるいました。10月に入ったばかりですが、台風25号の今後の影響も懸念されています。

 

台風は中心付近の風速が17.2m/s以下に弱まると「熱帯低気圧」や「温帯低気圧」に変わりますが、それらの「低気圧」をとりまく気象状況が良くなったわけでは決してなく、台風と同じように大きな被害をもたらすことがあります。10月の台風は日本に直接の影響を与えなくとも間接的に影響を与えることがあり、かつて台風から変わった「熱帯低気圧」が猛威をふるったことがあるのです。

 

下記の天気図は、2006年10月6日の15時の天気図です。本州付近の前線の南にあるTD(熱帯低気圧)はともに、元は左(982hPa)が台風16号、右(992hPa)は台風17号でした。この2つの熱帯低気圧が持つ暖かく湿った夏の空気と、北にあった秋の空気がぶつかり、低気圧が猛烈に発達したのです。

 

2006年10月6日15時の天気図(原典:気象庁「天気図」)

 

この影響で、6日から7日にかけて、関東地方から北海道地方で、暴風、大雨、高波、高潮に見舞われて多くの被害がでました。

 

海上は8mを超える大しけとなり、6日には、茨城県沖と宮城県沖で船が座礁する海難事故により、死者・行方不明者あわせて30人以上の犠牲者がでました。また、太平洋沿岸の多くの地方で最大瞬間風速30m/sを超える暴風が吹き荒れ、岩手県大船渡市では、40m/sを超える突風が吹きました。
被害は沿岸や海上だけではありません。本州の南岸に前線が停滞していたため、その前線の活動が活発になって大雨となり、床上・床下浸水があわせて1300棟の被害がでました。

 

10月は日本ではまだ台風のシーズンです。秋は日本付近に前線が停滞していることで、その南にある台風や台風から変わった熱帯低気圧が前線の活動を活発にして大雨をもたらせることがあります。さらに、上空を流れる偏西風の影響で、台風が低気圧に変わってからも急速に速度を上げながら再び発達し、猛威をふるうこともありますので、引き続き十分に警戒をして下さい。