気象トピックス・コラム
気象トピック
これからの生物季節観測


気象庁では、1953年から全国の気象台や測候所などでサクラなどをはじめとした植物34種の開花や、ウグイスなど動物23種の初鳴きなどを記録する「生物季節観測」を行ってきました。この生物季節観測については、以前のコラム「楽しい生物季節観測」でも取り上げていますので、こちらからも詳しく知ることができます。

楽しい生物季節観測

かなり多くの現象を観測していたのですね。 生物季節観測の目的は、植物の開花や動物の生息状況を見ることにより、季節の遅れ進みや、気候の違いの他、地球温暖化等の監視など総合的な気象状況の推移を把握することです。 この生物季節観測が来年1月から見直され、大幅に減少することになりました。

だいぶ少なくなりますね。私は、子供のころは、春になると道端のシロツメクサを集めて冠を作っていたのを思い出します。また、黄色いたんぽぽで春の訪れを感じ、たんぽぽが綿毛に変わることで初夏を迎えたことを感じていました。さらに、セミの鳴き声が変わることで、季節が夏から秋へ移り変わるのを感じていましたので、実際にこれらの観測が廃止されると思うと、非常にさみしさを覚えます。

これからは、地球温暖化などの気候の長期変化を監視するための観測として、サクラの開花と満開、イチョウの黄葉と落葉、カエデの紅葉と落葉を継続します。さらに、1年を通じた季節の変化を監視するために、春の訪れをウメの開花で、夏の訪れをアジサイの開花で、秋の訪れをススキの開花で補います。動物に関しては、すべて廃止されることになりました。

気象庁によりますと、その大きな理由は、気象官署周辺の都市化による生物の生態環境の変化です。植物に関しては、適切な場所への標本木の確保が難しくなっていること、動物に関しては、生息数の減少により気象官署からおおむね5km未満に対象を見つけるのが困難になっていることがあげられます。また、動物に関しては、観測されたとしても結果にばらつきが大きく、本来の目的を果たすのが困難で、この先もこの状況が続くと予想されるためすべて廃止することとなったのです。

生物季節観測は、我々の気象や気候への関心を高めるための普及活動のひとつでもあります。たくさんの植物や動物の観測の記録に興味を持っていた方も多かったことでしょう。
これも時代の流れなのでしょうか。ちょっと残念ですね。

なお気象サービスでは以前より「生物季節観測」のTwitterアカウントを運用しています。来年からは6種9現象の生物季節観測の情報を引き続きツイートしていきますので、是非フォローしてみてはいかがでしょうか?