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秋の季語に「秋渇き」という言葉があります。
秋は空気が乾燥する季節ですから、「秋渇き」は秋の空気を表す言葉ともいえますが、本来の意味は秋の乾いた空気ではなく、秋に増してくる「食欲」を意味します。
「乾く」と「渇く」という言葉には微妙な違いがあり、「乾く」は「水分がなくなること」を意味するのに対し、「渇く」とは、「水分が欲しくなること」を意味します。これが転じてか、「渇く」のもう一つの意味には、「欲望・欲求が高まること」という意味があります。「秋渇き」という言葉は、「食欲の秋」をピタリと言い当てる言葉といえます。秋はさまざまな果物の収穫の時期にあたりますので、果物からの水分もたっぷりとることができますね。
夏が過ぎて秋になると食欲が増すのは、夏痩せした体を元に戻すためです。さらに、これから迎える冬の寒さに耐えられるよう、体に脂肪分を蓄えようとするためでもあります。
「食欲の秋」は、まさに自然のなせるわざといえますので、ダイエット中の方も、たまには「秋の食欲」にまかせて、おいしいものをめいっぱい召し上がってはいかがでしょうか?