気象トピックス・コラム
季節が前進 木枯らし1号はいつ?

 

秋が深まっていく様子を表す言葉に「一雨一度」があります。この言葉通り、一雨ごとに寒気が流れ込み、季節が急速に前進しています。

17日(火)は北海道の手稲山や利尻山、横津岳、斜里岳で初冠雪が観測され、東北の岩手山からも初冠雪の便りが届きました。東北からの雪の便りは今季初で、この週末はさらに強い寒気の南下も予想されています。日差しが届く関東など太平洋側の地域も、風が冷たくなりそうです。

 

木枯らしとは、晩秋から初冬にかけて吹く、強くて冷たい北風のことを言います。西高東低の気圧配置の時に吹くことが多く、まさに冬の季節風の先陣です。

気象台から木枯らし1号が吹いたと発表があるのは、東京と近畿地方のみになります。それぞれ定義が決まっており、東京を例に見ると、①期間は10月半ば~11月末まで、②西高東低の冬型の気圧配置であること、③風向きは西北西~北、④最大風速8m/sという条件を満たす必要があります。

東京では、去年と一昨年は条件を満たす風が吹かなかったため、木枯らし1号の発表はありませんでした。一方、近畿地方では、去年は11月13日に、一昨年は統計開始以来最も早い10月23日に条件を満たし、木枯らし1号が吹いたと発表されています。

 

今年はどうでしょうか。最新の一か月予報を見ると、全国的に天気は数日の周期で変わる見通しで、北日本の日本海側は低気圧の影響を受けやすくなる予想です。発達した低気圧が通過して西高東低の気圧配置になると、木枯らしが吹きやすくなるでしょう。

目先20日(金)~21日(土)にかけても、低気圧が発達しながら北日本付近を通過し、日本付近は西高東低の冬型の気圧配置に変わる見込みです。22日(日)にかけて、この時期としては強い寒気が流れ込み、北日本の山地を中心に雪が降るでしょう。晴れる所も風が冷たく吹く見込みです。

風速の条件を満たせば、東京でも3年ぶりに木枯らし1号の発表があるかも知れません。間もなく冬の到来を告げる風が吹く季節に入ります。秋支度・冬支度はどうぞお早めに。