気象トピックス・コラム
長期予報
きょうは立冬、冬の天候の見通しは?

 

きょうは二十四節気の1つ「立冬」で、暦の上では冬の始まりです。北日本からは初雪の便りが届き、東日本や西日本でも冷たい木枯らしが吹く頃となります。

この先は季節が足早に進み、秋は短く、冬は厳しい寒さとなるでしょう。東日本や西日本の日本海側では雪が多くなる可能性もあり注意が必要です。

11~1月の平均気温(気象庁3か月予報を参考に作成)

気象庁が発表した最新の3か月予報によると、11~1月の平均気温は東日本や西日本で平年並みか低い予想となっています。特に12月以降の気温が低くなる見通しで、天候も日本海側で平年に比べ曇りや雨、または雪の日が多くなるでしょう。

予想される海洋と大気の特徴(気象庁3か月予報を参考に作成)

寒い冬となり雪が多くなると予想される理由は、現在発生しているラニーニャ現象にあります。ラニーニャ現象とはペルー沖の海面水温が平年より低くなる現象で、発生すると大気の変動とも密接に関連してきます。

日本付近では偏西風が南に蛇行することで寒気が流れ込みやすくなり、地上で冬型の気圧配置が強まる傾向にあります。このため、ラニーニャ現象が発生している年は寒冬になることが多く、この冬も同様の傾向が予想されています。

昨冬、その前の冬もラニーニャ現象が発生していました。気象庁の定義によると、1949年の統計開始以来、3冬連続でラニーニャ現象が発生するのは初めてのことです。

過去2年の冬を振り返ると、昨冬(2021年12月~22年2月)は12月下旬から断続的に強い寒気が流れ込み、西日本や東日本中心に低温傾向となりました。降雪量や最深積雪は山陰から北の日本海側中心に平年を上回る所が多く、全国12地点で年最深積雪の記録を更新しています。

その前の冬(2020年12月~21年2月)も、日本海側を中心に記録的な大雪となった所があり、新潟県の関越自動車道では約2100台の立往生、福井県の北陸自動車道でも約1600台の立往生が発生するなど、大雪による大規模な交通障害が発生しました。

今冬も平年より寒さが厳しく、雪が多くなる可能性があります。早めの冬支度を心がけ、寒さや大雪への備えをするようにしてください。