気象トピックス・コラム
長期予報
夏の振り返りと秋の天候

 

きょうから9月がスタートします。気象庁が定義している四季の区分では、9月から秋が始まりますが、今年はまだまだ残暑が厳しく、季節の進みを実感できるのはしばらく先となりそうです。

8月2日~31日の平均気温の平年差(出典:気象庁HP)

 

今年の夏は記録的な暑さとなりました。北~西日本の気温は平年を上回った所が多く、過去の記録を更新した地点もあります。

東京都心では8月31日時点で、最高気温が35℃以上の猛暑日が22日に達しており、年間猛暑日日数は2022年の16日を上回り過去最多となっています。さらに、北海道札幌市では1876年の統計開始以来最も高い36.3℃(8月23日)を観測するなど、各地で記録的な猛暑となりました。

 

9月も高温傾向が続き、特に前半は平年よりかなり気温が高くなる予想です。9月上旬にかけては、北海道~沖縄まで全国を対象に「高温に関する早期天候情報」も発表されており、熱中症対策など健康管理に十分注意が必要となるでしょう。

10月の気温も全国的に平年より高く、11月は東~西日本や沖縄・奄美地方で平年より気温が高くなる可能性があります。秋の深まりはゆっくりで、紅葉の時期も例年より遅くなるかも知れません。

降水量の予想は、9月に西日本や東日本太平洋側、沖縄・奄美で平年並みか多い予想となっており、秋雨前線や湿った空気の影響を受けやすくなる見込みです。

 

9月は台風の接近が多い月でもあります。上図は平年の月別の台風発生数・接近数をまとめたものですが、9月の台風発生数は5個と8月に次いで2番目に多く、接近数は3.3個と1年で最も多くなっています。

秋雨前線が停滞する中で台風が接近すると、台風周辺の湿った空気が前線の活動を活発化させ、台風が近づく前から大雨となる恐れがあります。残暑と共に台風シーズンも続きますので、引き続き、暑さや雨への備えをお願いします。