気象トピックス・コラム
冬至
きょうは冬至、冬至の習慣の由来は?

 

きょうは二十四節気の1つ冬至です。一年で最も昼が短く、夜が長い日となります。

また、冬至は暦の上で冬の折り返し地点です。「冬至冬なか冬はじめ」という言葉もありますが「冬なか」は冬至が冬の期間(立冬~立春前日の節分まで)の丁度真ん中にあることを表し、「冬はじめ」は本格的な寒さがこれからやってくることを示しています。

一年で最も寒い1月下旬頃に向け、この先は徐々に寒さが増していくことになります。

冬至の習慣としてカボチャを食べたり、ゆず湯に入ったりする方もいらっしゃるかもしれません。

カボチャを食べるのには「栄養補給」や「運気上昇」といった意味合いがあるようです。江戸時代中期頃にはカボチャが中風(脳卒中)予防やかぜ予防に食べられていたという記録が残っています。また、「ん」の付くものを食べると「運がつく」と言われ、別名なんきんと呼ぶカボチャや、にんじん、れんこん、きんかんなどを食べると良いとされています。

他にも、カボチャは保存がきくという意味にかけて、「長寿の願い」を込めたという説もあるようです。

ゆず湯に入る理由も諸説ありますが、1つは「邪気を払い、身を清める」という意味合いです。ゆずの強い香りで邪気を払い、厄払い前の禊のために入ったとされています。

また、「縁起の語呂合わせ」という説もあり、ゆずは融通が利くという言葉に、冬至は湯治に通じていて、縁起が良いとされています。

冬至を過ぎると、ますます寒さが厳しくなってきます。「ん」の付くものを食べて栄養補給し、ゆず湯でしっかり体を温めて、寒い冬を元気に乗り切りましょう。

参考

白井明大(文)『暮らしのならわし十二か月』(飛鳥新社)

竹中敬明(著)『四季の年中行事と習わし、伝えていきたい日本の伝統文化』(近代消防社)

石倉ヒロユキ(著)『福を招く食と暮らしの七十二候』(幻冬舎エデュケーション)