気象トピックス・コラム
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下駄で天気を占う

 

沖縄や奄美地方では、すでに梅雨明けの発表があり、ことしはきょう、関東甲信地方で、統計開始以来、最も早い梅雨明けとなりましたが、その他の地方は、いままさに、本格的な梅雨のシーズンを迎えています。この時期の天気予報は変わりやすく、思わず「占い」に頼りたくなってしまうことがある方も多いでしょう。

 

そんなときには、下駄を蹴り上げ、鼻緒が出たら晴れ、歯側がでたら雨、という昔ながらの「お天気占い」があります。「あした天気になあれ」と言いながら、下駄を蹴り上げるのですが、これには、科学的根拠は全くありません。にもかかわらず、このような占いが昔からあるのは、いったいなぜなのでしょうか?

 

これには、諸説ありますが、天気が悪いときにはいていた「高下駄(たかげた)」が、昔は「足駄(あしだ)」と呼ばれていたことに由来があるのではないかと言われています。
「足駄」という言葉は平安時代から使われていて、枕草子にものっています。この「足駄」が、江戸時代中期の関東地方で、「高下駄」をさすようになりました。
この「足駄(あしだ)」を「明日(あした)」にかけて、「あした天気になあれ」と言って下駄を蹴り上げ、天気を占うようになったと言われているのです。

 

下駄で天気を占うというよりも、「あしたは良い天気になって欲しい」という願いがこめられていたような気がしますね。