気象トピックス・コラム
気象トピック
エルニーニョ・ラニーニャって?

 
今日11月28日は太平洋記念日です。1520年の11月28日、ポルトガルの航海者マゼランが、後に「マゼラン海峡」と命名される南米大陸南端の海峡を通過して太平洋に出たのがこの日でした。天候が良く平和な日が続いたため、この海をPacific Ocean(平和な・穏やかな大洋=「太平洋」)と名付けたのです。
 
ところで、この太平洋の海面水温と日本の天候には大きな関係があるのをご存知でしょうか。
エルニーニョ・ラニーニャ現象と呼ばれており、エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沿岸にかけての海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が半年から1年半程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれています。
 
赤道付近は太陽高度が最も高いので海水温が最も高くなっています。ここには貿易風(常に東から西へ向かって吹く風)が吹いており、表面の海水は西へ流されています。海水が西に流されるとペルー沖ではそれを補うように海の底から冷たい海水が上がってきます。
貿易風が弱いと暖かい海水はペルー沖に留まり、冷たい海水の湧き上がりが弱まるため、表面海水温が高くなります。これがエルニーニョ現象です。
反対に、ラニーニャ現象は貿易風が強まって暖かい海水がペルー沖から西に大きく流され、変わって海底から冷たい海水がどんどん上がってくることで表面海水温が低くなることをいいます。
エルニーニョ現象が発生すると、日本では夏は太平洋高気圧の張り出しが弱くなり、気温が低くなる傾向があり、冬は西高東低の気圧配置が弱まり、気温が高くなる傾向があります。一方、ラニーニャ現象が発生すると、夏は太平洋高気圧の北への張り出しが強まり、日本では気温が高くなる傾向にあり、冬季は西高東低の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向があります。
 

平常時の状態(気象庁)

 

エルニーニョ現象時の状態(気象庁)

 

ラニーニャ現象時の状態(気象庁)

エルニーニョ/ラニーニャ現象に伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動(気象庁)

 

11月10日に気象庁から発表されたエルニーニョ監視速報によるとエルニーニョ監視海域と呼ばれる北緯5度~南緯5度、西経150度~西経90度の海面水温が基準値より低いなど、ラニーニャ現象時の特徴が持続しています。この特徴が冬の終わりまで持続せずにラニーニャ現象の発生に至らない可能性も40%ありますが、発生に至る可能性の方が60%でより高くなっています。
24日に発表された三か月予報によると、北日本の気温は平年並みか高い予想になっていますが、西日本を中心に寒気の影響を受けやすいようです。
 
次回のエルニーニョ監視速報は12月11日に発表されます。これから季節は本格的な冬を迎えるにあたり、海水温の状況から目が離せません。