気象トピックス・コラム
一雨ごとに進む季節~急速に深まる秋~

秋は、「一雨一度」とよばれる季節。秋になると雨が降るたびに気温が1℃低くなるという意味です。

秋雨の時期が終わり、10月~11月になると、高気圧と低気圧がおよそ1週間の周期で日本付近を通るようになります。このため、単純に計算すると週に1回の割合で雨が降ることになるのです。東京の平年値で最低気温の下がり方を確認してみると、秋には1週間におよそ1℃以上低くなっていくのがわかります。


ところが、実際は秋の気温の変化は1℃どころではなくもっと大きいのです。低気圧が近付くと暖かな空気が入り、気温が上がることがありますが、雨の降った後は寒気が流れ込んできて気温が下がります。天気が回復し高気圧に覆われて晴れた日の翌日は、地上の熱が奪われる放射冷却も強まり、厳しく冷え込むのです。低気圧の通過による雨と、その後の高気圧の張りだしによる寒気の流れ込みの強まりを周期的に繰り返す事によって秋が深まり、冬になっていきます。


一雨ごとに気温の急な上がり下がりを繰り返し寒さが増していくこの季節は、体調管理に十分注意するようにして、徐々に近づきつつある冬への準備を進めていきましょう。