気象トピックス・コラム
熱中症
熱中症

6月に入ってからは熱中症に一層注意が必要になります。熱中症は、比較的軽度な段階もありますが、重度な熱中症にかかると、最悪の場合死に至ることもあるため油断のできない非常に危険な病気です。




熱中症には、段階ごとに4種類あります。

熱失神
熱中症の初期症状で、暑さにより、皮膚の血管が拡張することで脳への血流が減少するため起こります。
熱けいれん
汗で失われた塩分が不足することにより起こります。
熱疲労
大量の汗をかくことによる脱水症状により起こり、放置しておくと命に係わる「熱射病」に至ります。
熱射病
体温が上昇しすぎて発汗ができなくなるために起こり、最悪の場合死に至ります。




熱中症は、適切な予防法を知っていれば防ぐことができ、応急処置を知っていれば救命することも可能です。

熱中症は、屋外でも屋内でも昼夜を問わず起こります。暑い日は運動や作業をなるべく控え、室内ではエアコンや扇風機を使って熱中症を防ぐ環境を作ることが大切です。
また、服の素材は、綿や麻などがよく、色は白などの淡色系がおすすめ。ネクタイを控えたり緩めたりしてシャツの首元のボタンは外します。さらに、帽子をかぶったり、日傘をさしたりしましょう。
日常生活での水分補給は、のどが渇く前にこまめに行います。目安は、1日あたり1.2リットルです。大量の発汗がある場合は、水だけでなくスポーツドリンクなどでの塩分補給も必要です。



もしも熱中症にかかってしまったら、日陰などの涼しい場所に移動し、衣服を緩め、足を高くして安静にしてください。そして、水分や塩分を補給し、体を冷やします。わきの下や首の周りなどを保冷材や冷たいタオルで冷やすのも効果的です。
それでもよくならなければ、直ちに救急車を呼び、病院に連れて行ってください。まっすぐに歩けなかったり、けいれんや意識障害が起こっていたりしたら重症です。

環境省の統計によると、熱中症による死亡者は、高齢者が年々増えている傾向にあるということです。高齢になると、だんだん暑さや寒さを感じにくくなり、体温調節機能が低下してきます。暑くても汗をかきにくかったり、体内の熱を逃がそうとしにくくなったりします。高齢者が周りにいらっしゃる方は、暑さを訴えてこなくても、熱中症にかからないような涼しい環境を作ることが大切です。
また、運動する学生や外で働く労働者の方々は、日ごろから冷たい飲み物を持ち歩いたり、部活動中でも仕事中でも無理をせずに休憩をとったりして、上手に熱中症を防ぎましょう。