気象トピックス・コラム
紅葉
紅葉の始まりから終わり~秋から冬への3か月の道のり~

秋も深まり、紅葉のシーズンを迎えています。山が多く起伏に富み、南北に長い日本列島では、例年、紅葉は遅い所では12月中旬ごろまで楽しむことができ、3ヶ月ほどが紅葉のシーズンとなります。

紅葉は、朝の最低気温が8度を下回るようになるとしばらくしてから始まり、5~6度になると一気に進みます。最低気温が8度を下回るようになる時期は、札幌が10月中旬、仙台が11月上旬、東京が11月中旬、大阪が11月下旬、福岡が12月上旬です。


秋になり、気温が低くなってくると、木の活動が弱まり、葉の付け根に「離層(りそう)」と呼ばれる層ができます。この層ができると、木から栄養が葉に届かなくなります。そうすると、夏にはあった緑色のもとであるクロロフィルが減って、緑色はだんだん消えていきます。


このように葉からクロロフィルが減ると、イチョウなどは、もともとあったカロチノイドの黄色が目立ってきて、黄色く色づきます。
また、カエデなどは、離層にたまった糖分が日光に当たり、赤色のアントシアニンに変化して、葉が赤く色づきます。


紅葉が綺麗になる条件は、下記のようなときです。

①日差しが多い
8月~9月の日中によく晴れて、光合成が盛んになると、葉に糖分が多く蓄えられるため、色づきがよくなります。さらに、カエデなどの葉が赤くなるものは、離層ができたあとにも、日差しがないと、葉に残された糖分が日光に反応しないため、アントシアニンがきれいに作れず、色づきが悪くなります。


②昼夜の気温差が大きい
光合成によって作られた多くの糖分が、夜間の気温が低いことで、呼吸に使われる量が少なくなり、より多くの糖分を蓄えることができるため、葉がきれいに色づきます。


これに加えて、夏にほどほどの雨が降ること、台風による暴風などで海水から吹き上げられた塩分が植物に付着し、その葉が変色したり枯れたりしてしまう「塩害」の影響が少ないことも大切です。

みなさんのお住まいの場所の紅葉の見ごろはいつごろですか?これから里におりてくる紅葉が楽しみですね。