気象トピックス・コラム
過去の記事
日本一の霧の街

 

北海道の太平洋側に位置する「釧路」は、年間霧日数が日本で最も多く、年間に100日以上あり、特に6月~8月は、月の半分以上が霧に覆われます。

 

この霧の原因は、北海道の太平洋側の冷たい海水と、太平洋の高気圧からの暖かく湿った空気です。北海道の太平洋側の7月の海水温の平年値は、12℃~15℃くらいと、とても低いのです。

 

夏の季節は、太平洋高気圧からの暖かく湿った空気が北海道にまで流れ込むことが多く、この空気が、冷たい海面を渡るときに、空気に溶け込む水分が飽和し、濃い霧が発生します。これを「移流霧」と言います。

 

釧路はこの期間の気温も低く、最高気温の平年値は15℃~21℃くらいです。札幌のこの時期の平年値が21℃~26℃くらいですから、それに比べてもかなり涼しく、時には寒いくらいになります。

 

この霧に浮かぶ街灯や灯台の明かりが、幻想的な風景を生みだし、釧路は「日本のロンドン」と言われています。さんさんと照りつける太陽が苦手な方や、暑い夏が苦手な方にとっては、釧路の夏は、かえって過ごしやすくて良いかもしれません。霧に覆われた幻想的な夏の釧路で、ちょっとロマンチックな大人の夏を過ごしてみてはいかがでしょうか。