気象トピックス・コラム
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雨の強さの目安

 

私たちは、雨が降っているときに、日常会話で、「雨、強くなってきたね~」、「ざあざあ降っているよね」、「きょうは、土砂降りだわ~」などと、さまざまな言葉を使って雨を表現していますが、これは、その時降っている雨に対する人間の感覚です。

 

気象庁では、これだけの雨が降ったら、どのような災害が起こりうるか、どんなことに注意しなければいけないのかを、天気予報で決まった言葉を使って伝えてくれています。1時間降水量を用いて、下記のような目安にしています。

 

 

天気予報では、「雨 所により 雷を伴って 激しく降る」などと表現されていることがありますが、これは、1時間に30mm~50mmの雨が予想されているという意味です。起こりうる被害としては、道路が川のようになり、都市部では、下水管から水があふれ出します。山崩れ、がけ崩れがおきやすくなり、危険地帯では、避難の準備が必要になります。

 

「非常に激しく降る」という表現を使っているときは、50mm~80mmの雨が予想されているという意味です。1時間にこれだけの雨が降ってしまうと、都市部では、地下室や地下街に雨水が流れ込む場合があり、マンホールから水が噴出します。土石流が起こりやすくなり、多くの災害が発生します。

 

それを上回る「猛烈な雨」が降ると、大規模な災害の発生する恐れが強く、厳重な警戒が必要になります。このため、「猛烈な雨」を観測した場合は、「記録的短時間大雨情報」を発表することがあります。「記録的短時間大雨情報」が発表されているということは、その地域で、稀にしか観測されないような大雨が降ったということです。

 

このようなことを覚えておけば、天気予報で、「激しく降る」や「非常に激しく降る」という言葉を聞いたら、どんな行動をとるべきかがわかります。

 

そして、大雨が予想されるときは、気象庁や各地方の気象台から、大雨注意報や大雨警報が発表されます。これらは、地方ごとにその気象特性をかんがみて基準を設けており、これから予想される警戒すべきこと、その期間に予想される降水量などを詳しく発表する予報の一種です。全国の天気予報では伝えきれない、市町村レベルの危険について説明していますので、これもきちんと確認しておきましょう。