東京都でスギ花粉の飛散が始まりました。都内におけるスギやヒノキの花粉飛散量は去年の2.7倍と予想されていて、都が観測を始めた1985年以来、過去4番目の多さとなる見通しです。
花粉の飛散量は昨夏の天候が大きく関係しており、夏の気温が高く日照時間が長いほど、雄花の量が増えて花粉飛散量が多くなります。昨夏の平均気温は東~西日本でかなり高く、日照時間も東~西日本で平年並みか多くなりました。花粉の飛散量が多くなる可能性があり、花粉症の方は万全の対策が必要です。
花粉の飛散量は天気によって変わり、特に飛散が多くなるのは、晴れて気温が高い日・雨上がりの晴れた日・乾燥して風が強い日です。晴れた日は木が盛んに花粉を飛ばし、雨上がりには雨の日の分の花粉も飛ぶ傾向にあります。さらに、乾燥して風が強い時ほど花粉は遠くまで飛び、特に山の方から風が吹く日ほど注意が必要です。
時間帯によっても花粉の飛びやすいタイミングがあり、ピークは1日に2回です。1回目は朝に林や森で舞った花粉が都市部にやってくる昼前後、そして2回目は夕方頃です。夕方に増えるのは、気温が下がることで空に舞っていた花粉が地上付近に落ちてくるためです。
コロナ対策で換気をすることも多いと思いますが、花粉がピークとなるタイミングをなるべく避け、カーテンをしたまま少しだけ窓を開けて換気をするなど、花粉を部屋に入れないよう心掛けるのが良さそうです。
花粉症対策で重要なのは、体に侵入する花粉を極力減らすことです。外出時は、比較的花粉が付きにくい綿やポリエステルなどの服を選び、マスクやメガネによる対策も効果的です。帰宅時には花粉を払い、家に持ち込まないようにしましょう。
また、症状を悪化させないためには免疫力をつけることが大切です。バランスの良い食事や十分な睡眠など、規則正しい生活が正常な免疫機能を保つことにつながります。
参考
環境省 花粉症環境保健マニュアル2022
令和4年度東京都花粉症対策検討委員会 検討結果
花粉対策については、耳鼻咽喉科専門医に取材