台風
気象庁のホームページで台風情報を見ると、号数と一緒に必ず名前が載っています。
さて、この台風の名前は、誰がどのように付けているのでしょうか?
台風の名前は、以前は欧米の人の名前が使われていましたが、2000年(平成12年)から、世界気象機関(WMO)とアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)が共同で設立した「台風委員会」が、加入している14カ国の言葉で名前を付けています。
14カ国とは、カンボジア、中国、朝鮮民主主義人民共和国、香港、日本、ラオス、マカオ、マレーシア、ミクロネシア、フィリピン、韓国、タイ、アメリカ、ベトナムです。これらの国々から10個ずつ名前を出してもらい、その140個の名前のリストをもとに名付けます。
日本が選んだ台風の名前は、すべて星座からとっていますが、他の国では、動物や神、植物や人の名前など様々で、お国柄もあってとてもユニークです。この台風の名前のリストは気象庁のホームページにも載っているので興味のある方は見てみてはいかがでしょうか。
台風の番号とアジア名の付け方(気象庁)
番号が140まで回るとまた1番に戻って繰り返し名前を使いますが、まれに次回は使われなくなる名前もあります。
例えば、2017年8月20日に発生した台風13号には日本の選んだ131番目の「ハト(Hato)」の名が付いたのですが、中国、香港、マカオ、ベトナムで大きな被害をもたらせたのです。
4カ国であわせて24人の死者と845人の負傷者をだしたほか、香港では大規模な高波が発生、さらにおよそ480便の航空機が欠航になり、証券取引所も閉鎖されました。
このような大きな被害が発生した台風は、加盟国の変更申請により、台風委員会が別の名前にすることがあり、「ハト」はその被害の記録とともに名前が残されました。
「ハト」に変わる131番目の名前は「ヤマネコ(Yamaneko)」で、2022年11月12日に発生した台風24号に付けられました。この「ヤマネコ」は、ウェーク島近海で発生し、2日にも満たない短い寿命で、陸地への直接的な影響もありませんでした。
台風の平年の発生数は25.1個ですから、毎年1個か2個は自分の国の名前の台風が発生する計算になります。次に使われる日本の名前の台風は5番目の「こいぬ(Koinu)」です。