気象トピックス・コラム
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熱中症を予防しよう!

 

今年は、すでに、「熱中症」という言葉を頻繁に耳にしています。それは、春先から寒暖の差が大きく、気温の低い日の翌日に一転して気温が急に高くなった日が多かったことにあります。また、今年は、各地で梅雨入り中でも気温が高い日が多くありました。
さらに、7月20日には、気象庁から、「東日本と西日本の長期間の高温に関する全般気象情報」が発表され、来週の半ばごろにかけて、暖かい空気が流れ込みやすく、気温の高い状態が続くと予想されています。最新の1ヶ月予報でも、この先1ヶ月は、全国的に気温が平年より高いと、猛暑が予想されていますので、「熱中症」の季節はまだまだ続きます。

 

熱中症には、段階ごとに4種類あります。

 

1 熱失神
2 熱疲労
3 熱けいれん
4 熱射病

 

「熱失神」は、熱中症の初期症状で、暑さや高温により、皮膚の血管が拡張するため血流が減少し、血圧が低下することによって起こります。「熱疲労」は、大量の汗をかくことによる脱水症状で起こります。「熱けいれん」は、体内の塩分(ナトリウム)やミネラルが不足することによって起こります。もっとも重症なのが「熱射病」で、体温が上昇しすぎて発汗ができなくなり、体に熱がこもるために起こり、最悪の場合、死に至ります。

 

熱中症は、適切な予防法を知っていれば防ぐことができ、応急処置を知っていれば救命することも可能です。
熱中症を防ぐ方法としては、まず暑い日は無理をしないことです。熱中症は、屋外でも屋内でも、昼夜問わず起こります。暑い日は、外でも体育館でも運動や作業をなるべく控えるようにします。室内では、エアコンや扇風機を使って熱中症を防ぐ環境を作ることも大切です。
また、スポーツドリンクなどで、適度に水分や塩分をとることです。運動をしているときには、200~250mlの水分を1時間に2回から4回を目安に補給するとよいそうです。あとは、涼しい服装を心がけることです。帽子をかぶったり、ネクタイを控えたり緩めたりして、シャツのボタンを外します。服の素材は、綿や麻などがよく、色は白などの淡色系を選びます。

 

熱中症の症状は、まず軽いものからはめまいや立ちくらみ、そして失神や頭痛、吐き気、けいれんなどが起こりますが、「熱射病」にかかると意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)も起こりえます。

 

もしも熱中症にかかってしまったら、日陰などの涼しい場所に移動し、衣服を緩め、足を高くして安静にして下さい。そして、水分や塩分を補給し、体を冷やします。わきの下や首の周りなどを保冷材や冷たいタオルで冷やすのも効果的です。それでも良くならなければ、病院に連れて行きましょう。また、まっすぐに歩けなかったり、けいれんや意識障害が起こったら重症ですから、直ちに病院に連れて行って下さい。

 

環境省の統計によると、熱中症による死亡者は、高齢者が年々増えている傾向にあるということです。高齢になると、だんだん暑さや寒さを感じにくくなり、体温調節機能が低下してきます。暑くても汗をかきにくくなったり、体内の熱を逃そうとしにくくなります。高齢者が周りにいらっしゃる方は、暑さを訴えてこなくても、熱中症にかからないような、涼しい環境を作ることが大切です。また、運動する学生や、外で働く労働者の方々は、日ごろから冷たい飲み物を持ち歩いたり、部活動中でも仕事中でも無理をせずに休憩をとったりして、上手に熱中症を防ぎましょう。