気象現象
私たちは、雨が降っているときに、日常会話で、「雨、強くなってきたね~」、「ざあざあ降っているよね」、「きょうは、どしゃ降りだわ~」などと、さまざまな言葉を使って雨を表現しています。
気象庁では、これだけの雨が降ったら、人がどのように感じ、どのようなことが起こりうるか、またどんなことに注意すべきかを、決まった言葉を使って伝えています。1時間降水量を用いて、下記のような目安にしています。
「やや強い雨」は、ザーザーと降る雨で、地面からの跳ね返りで足元が濡れるくらい、地面1面に水たまりができ始めます。木造住宅内では、雨の音で話し声が良く聞き取れなくなります。
「強い雨」は、どしゃ降りの雨で、傘をさしていても濡れてしまうくらい、木造住宅では、寝ている人の半分くらいが雨に気づきます。また、車に乗っていると、ワイパーを速くしても見づらく、視界が悪くなります。
「激しい雨」は、バケツをひっくり返したように降る雨といわれています。道路が川のようになり、高速で車を運転しているときに、車輪と路面の間に水膜が生じるハイドロプレーニング現象が起こり、ブレーキが効かなくなることがあります。
「非常に激しい雨」は、滝のようにゴーゴーと降り続く雨です。傘は全く役に立たなくなり、水しぶきで辺り1面が白っぽくなり、視界が悪くなります。車の運転は危険です。
天気予報では、「激しい雨」や「非常に激しい雨」が予想されているときには、例えば、「雨 所により激しく降る」や、「雨 所により非常に激しく降る」などと表現しています。
それを上回る「猛烈な雨」は、息苦しくなるような圧迫感があり、人は恐怖を感じる雨です。わずか1時間にこれだけの雨が降ると、大規模な災害が発生する恐れが高くなります。
このような時には、「記録的短時間大雨情報」を発表することがあります。これは、数年に1度しか発生しないような短時間の大雨が観測、もしくは解析されたときに発表されるもので、雨量基準は、1時間雨量歴代最大1位または2位の記録を参考に、おおむね府県予報区ごとに決めています。
雨が予想されるときは、気象庁や各地方の気象台から、大雨注意報や大雨警報が発表されます。これらは、降った雨の量などから算出される指数と過去の災害との関係により設けられた基準に基づき、市町村ごとに細分化して発表されますので、これらも確認しましょう。